抗生剤と耐性菌

        大切な友達細菌を守るために
              
    


    

              

          保育士さんへ

      その一言が
薬剤耐性菌を増やすことをご存知ですか!

      「お昼に服用しなくてもよいお薬に替えてもらいなさい」

   園での服薬を制限する幼稚園、保育園が増えました。

  家族の方も病気をしっかり治してから登園したいと思っていますが、

  現実はお仕事をあまり休むと上司や雇い主から「白い目」で見られる。

  出世に響いたり解雇の対象になりかねない。厳しい現実があります。

  仕方なく薬を持たせて登園させる。

   園では服薬間違いに神経を使う。他児に伝染する心配があるので服薬が必要な園児は休んでほしい。

  その狭間で起こっている言葉です。

 

     その一言が予期せぬ弊害を起こしています。

  仕方なく、言われるがままに一日に1-2回のお薬に替えるとどうなるか?

  一日1-2回服用のお薬は肺炎、中耳炎にしか使えないお薬(オゼックス、トスキサシン、オラペネム)や

  マイコプラスマ感染の特効薬のマクロライド系の
ジスロマックが選択肢としてあります。

   まずジスロマックから,この薬の乱用によってマイコプラズマの耐性菌がずいぶんと増えました。

  その結果、治療の選択肢が減り医療現場は困っています。

   次にオゼックスやトスキサシン、オラペネムの乱用は

  内服薬で従来は対応できた感染症にたいして、

  点滴でしか対応できない病気を増やしています。

  これまでは次々と新しく出現する耐性菌に対するお薬を開発していましたが

  最近は開発しても儲からないので開発意欲が減り、新薬が出てきません。

  限りある医療資源を大切に使うことが求められています。

   もう一つの問題として、

  オゼックスやトスキサシン、オラペネムを処方して

  病名をつけるときに肺炎や中耳炎と記載しないと保険診療ができないので

  正直なお医者さんは困ってしまいます。

   多くの医師はこれらのことを考えながら患者さんに良かれと診療しています。

  何気ない一言の起こす混乱を考えて頂ければ幸いです。


   追記:COPD(慢性閉そく性肺疾患)にマクロライドの少量投与があります。

   この療法により多くのこの病気の方々が軽快しました。
  
 この療法を慢性副鼻腔炎や慢性中耳炎に応用できないかと試しましたが
   効果のある方はとっても少ないです。

  
 2週間で効果がなければ中止すべきと考えます。
            それ以上は耐性菌を作るだけの悪影響しかありません。
 

       2025年春  
   百日咳が流行っています。
      危惧されていた
マクロライド系抗菌薬の耐性株が増えています。
         残念なことに小児の死亡例が出ました。
            
赤ちゃんには予防注射がお勧めです。

        2025年4月 日本呼吸器学会が注意喚起をしています。

   気管支拡張症に対する
マクロライド系抗菌剤の
                 使用にあたり乱用を避け
適正使用を促しています。

                                        


        患者さんへ 

   なお、治りかけの軽症の感染症では1日3回服用の抗生物質は
   登園前、
帰宅後、眠る前の3回でも十分効果があります。



   抗生剤は必要な時に十分量を使用しましょう!
   しかし、不必要で害の或る使用は控えましょう



    以下は
抗生剤乱用戒めのスライド
 

     



       体内の常在菌(友達細菌)が元気だと病原菌を監視し抑えてくれる。



     軽症の細菌感染症には
    オゼックス、トスキサシン、オラペネム
    は不要で有害です。

    耐性菌の時だけに使用を制限すべきです。
    不必要な抗生剤を使用すると
    友達細菌が働けなくなり
    薬剤耐性の病原菌がのさばる事になる。




     内服薬が効か無くなり入院して点滴治療になる。

   

      素人判断で途中で薬をやめると
      あと一歩で殲滅できた病原菌が息を吹き返すことに



  …  薬剤耐性菌「危機的」 国連、年1千万人死亡も

                             2019年04月30日(火) 09:00 配信 共同通信社 医療
 

    【ニューヨーク共同】国連は2019年4月29日、
    抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が世界的に増加し危機的状況にあるとして、
    早急に業界横断的な対策を講じるよう各国に求める報告書を発表した。
   
    このままでは薬剤耐性菌による病気で2050年までに
    年1千万人が死亡する事態になり、
    世界経済は08~09年の金融危機に匹敵する
          破滅的ダメージを受ける恐れがあると警告した。  

    報告書は、人間や動物への抗生物質使用に慎重さを求める厳しい管理制度の導入や
    薬剤耐性研究への資金投入などを勧告。
    モハメド副事務総長は
        「薬剤耐性は、われわれが地球規模で直面している最大の脅威の一つだ。」
      ぐずぐずしている時間はないと強調した。

    報告書によると、
    
薬剤耐性菌による病気で毎年少なくとも推定70万人が死亡、
    うち23万人は多剤耐性結核で亡くなっている。
    気道感染症など一般的な病気でも治療できないものが増えている。

    報告書は、抗生物質は人間だけでなく
    家畜などの動物や植物の病気に対応する上でも不可欠だと指摘。
    ⇒ 
養殖はまち、養鶏、養豚の餌に抗生剤を混ぜて与える現状を改善する必要性
    政府や民間企業、学術機関などに対し、
    専門分野の垣根を越えた協調的対応を呼び掛けた。

    報告書は世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)、
         国際獣疫事務局(OIE)などが共同で発表した。 



          耐性菌     薬剤耐性について詳しく知りたい方は読んでね